OSTEOPOROSIS 骨粗鬆症

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨強度低下を特徴とし、骨折の危険が増える疾患です。
骨強度低下の原因としては、様々なものが挙げられます。閉経、糖尿病、慢性閉そく性肺疾患(COPD)、甲状腺機能亢進症、慢性腎疾患、各種悪性腫瘍、薬剤、栄養障害等々。
多いのは、女性の閉経後加齢による原発性骨粗鬆症です。つまり高齢の女性に多い病気です。しかし、持病のある男性や高齢の男性にも起こる可能性があります。

画像:骨粗しょう症のメカニズム
画像:骨粗しょう症

さて、骨粗鬆症になると何が困るのか?
それは骨折です。「立った高さからの転倒」程度の軽微な力で起こる骨折を脆弱性骨折と言います。脆弱性骨折が多く発生する部位は、胸椎・腰椎(背骨)、大腿骨近位部(脚の付け根)、橈骨遠位端(手首)、上腕骨近位部(肩)等です。特に胸椎・腰椎、大腿骨近位部の骨折が起こると、日常生活に大きく影響します。

画像:脆弱性骨折

厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査」によると、寝たきりの原因の13%が転倒・骨折によるものと報告されています。これは認知症(18%)、脳卒中(16%)に次いで3番目に多い原因です。胸椎・腰椎や大腿骨近位部の骨折が寝たきりに大きく影響しているということです。

骨粗鬆症の診断のための検査としてはDXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry:二重エネルギーX線吸収測定法) が一般的です。2種類の放射線を当て、それぞれのエネルギーが骨に吸収される量の違いから骨の密度を測ります。6分程度横になっているだけで測定可能です。当院では、ガイドラインで推奨されている腰椎、大腿骨近位部の2か所で測定を行っております。

画像:DEXA

骨粗鬆症の治療は、薬物療法、食事療法、運動療法がありますが、薬物療法が中心となります。治療を行わずに自然に骨密度を増やすのは困難です。減ることはあっても自然に大きく増えるということはほとんどないでしょう。このため、長期の治療が必須になります。

薬物治療には、内服と注射があります。様々な薬剤がありますので、骨密度が低下している部位や採血でのデータ、持病、骨密度の経時的変化によって調節を行っています。

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